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子どもから青年期への変化を理解するための、思春期の成長モデルとは? - ミレニアム・スクールブログより

2016年ににサンフランシスコでスタートした新設の中学校ミレニアム・スクール (Millennium School) は、子どもから青年に移行する思春期の子どもたちの健やかな成長と発達に特化した「ラボ・スクール(実験校)」です。なぜラボ・スクールなのかというと、カリフォルニア大学のバークレーやサンフランシスコの研究室や、スタンフォード大学とも連携し、心理学や神経科学を取り入れながら、思春期の発達理論に基づき、常により良いアプローチの研究を続けているからです。日本だと教育大学の附属学校などはラボ・スクールに当たります。

ミレニアム・スクールの学びでは、常に3つの問い(私は誰?どう他者と関係を築く?社会にどう貢献出来る?)を織り交ぜることで、子どもたちが豊富な体験と経験から学び、全体のバランスが個々に取れた生徒を育てています。

ミレニアム・スクールで生徒が向き合う3つの大きな問い (出典:ミレニアム・スクールウェブサイト)

2年前に同校のクリス校長が来日されて学校視察をお手伝いした時にも、訪問先の全ての学校で、彼らのアプローチをとても興味深く受け止めて頂いておりました。また初来日以来、日本から同校への訪問者も定期的にあり、訪問された方々からも、「とても生徒たちが穏やかだった」「大人とのやりとりにもとてもオープンだった」などポジティブなフィードバックを受けています。

「ラボ・スクール」としての彼らのミッションは、世界中の教育者とも繋がり、お互いから学びあいながら、ミレニアム・スクールで実践していることを、教員育成や学校運営に活用してもらうこと。非常に公的なミッションを持って活動する同校では、昨年度から米国での教員研修も開始されています。

そして。。。 この度日本語通訳付きでの同研修の日本初開催が決定しました!

教員研修は、ミレニアムスクールが開発した思春期の発達理論に基付き、子どもの自発的成長を促すための教育環境を整えるために教員が知っておくべきSEL (Social Emotional Learning - 社会性と情動の学習) 理論と実践型ワークショップとなります。日本では道徳教育はある一方、 SEL (Social Emotional Learning - 社会性と情動の学習) の活用についてはまだ黎明期ではありますが、米国では特に中高生の健やかな成長と学力向上にとってSELが重要だという認知が広がっており、成果のエビデンスについて研究が進んでいます。米国の教育カンファレンスでは、常に主要テーマとして挙げられているテーマでもあります。先日も、米国のSELに関するオンラインセミナーにて、実践校における実施プログラムと学力の向上や出席率の改善についてデータが共有されていました。

今回の研修は、7/31-8/1 に大阪にて、8/5-6 に東京にて開催いたします。ミレニアムスクールの創設メンバー 2-3名(クリス校長含む)という豪華メンバーによる研修(通訳付き)となります。申し込みも含めた詳細は、FutureEdu もコアメンバーとして参画している SOLLA のウェブサイトをご覧ください。また、クリス校長が登壇するイベントのご案内を希望される方は、記事最後にメールアドレスをご登録下さい。詳細が決まり次第メールでお知らせさせて頂きます。

なぜ我々が SEL に注目をしているのか、というのもお伝えしたく、本日から数回に渡り、クリス校長の書かれた記事の翻訳紹介を通してミレニアム・スクールが考える思春期の発達や、学校について紹介していきます。第一回は、思春期の成長モデルについてです。*

子どもから青年期への変化を理解するための、思春期の成長モデルとは?

新しい仕事に就いたばかりのを時を想像してみてください。最初の数週間から数ヶ月の間は、「ルール」を学ぶことに注力をして、上司や同僚の意見を全て真に受けるかもしれません。

徐々に慣れてくると、組織内でどのように意思決定が行われているかに気がつくようになります。自分なりの方法でこの環境での動きを学びます。どうすれば周りの人々が驚いてくるかもわかるようになり、自らのスキルを表現することにより自信を持つようになります。

おそらく、その後何年も経過して仕事に慣れたら、あなたはもう一度考え方をシフトするかもしれません。同僚を喜ばせるのはいいことですが、自分の最高の仕事への自分なりの基準を作り始めるかもしれません。会社を通してであろうとなかろうと、成長する機会を見つけ、最も情熱的になれる仕事につくにはどうすれば良いか、学び続けるにはどうすれば良いか考え始めるかもしれません。他の人が成長したい様子に対して、自然な共感を持っています。

この想像上の例では、青少年が経験できることを反映した発達パターンをなぞらえました。適合性(ここに自分は合うのか?)から、達成または所属(私は友達をどう感動させるかを知っています!)、そして真正性(私は自分の才能を表現する意識、自信、そして能力を持っています)。ただ青少年の場合は仕事や学校をナビゲートする方法を学ぶだけではありません - 彼らは人生をナビゲートする方法を学んでいて、大人の自己意識を形成しています。

ミレニアムスクールのコンセプトを練り始めるにつれて、伝統に頼るだけではなく、人間の可能性と現代科学にづいた、思春期教育のための新しいビジョンを築くための確固たる根拠を探しました。我々が発見した基礎は発達科学 - 特に思春期心理学と神経科学 - であり、それは上記の発達パターンと、その過程でに訪れる数々のチャンスとリスクの領域が伴っている事を示唆しています。今後数カ月に渡り、ミレニアムでの「全体性(ホールネス)」を持った教育的アプローチの基礎を形成している、発達科学から引き出されたより多くの研究と方法を紹介します。

クリス・バーム著 (2016年2月8日)/竹村 詠美 翻訳

原文はこちら

*本記事は、クリス校長からの許諾の元、FutureEdu にて翻訳を行なっています

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