私が今まで漠然と抱いていた"ホーム・スクーリング"は、1) 宗教的な理由で一般の学校には通えず、教えに添った教材を家庭で学習する子供たちというイメージでした。また、2)スポーツや芸能に秀でている子供たちが学校に通う時間がないために家庭教師をつけたり、3) 学校から遠隔地に住む子どもたちが教育機関から認定された通信教材を使って自宅で学習することでした。学校に行けない事情があって、やむなく学校の勉強を自宅でしているという理解でいました。
私はまずホーム・スクーラー向けの教材探しに着手しました。
学習指導要領に添った勉強は今やどこでも出来ます。進学塾、学習塾、家庭教師、通信教育、オンライン教材、オフライン教材、市販教材、各種模試、検定。多くの教材はカリキュラムという名のパッケージをされてある地域の学習指導要領や共通試験のために最適化されています。
また、学習指導要領に含まれない分野の学習もインターネットで検索すれば専門家の連絡先、論文、ディスカッション・サイト、YouTube、eラーニング・サイト、オフラインのコミュニティ検索等が瞬時に出来ます。
「娘にピッタリの最高の教材を見つける!」という目標を持って始めた教材探しで、 「これさえやっておけば大丈夫」という高等教育のパッケージはないということに気が付きました。そもそも地域や時代によって必修科目の内容は大きく異なります。学びたい気持ちがあればあらゆる情報にアクセスができる今日、「どう学ぶか(=学校や教材の善し悪し)」よりも、「何を自分が学びたいか」を基準にしたらいい、と私は次第に考えるようになりました。
学校も行かないし、ホーム・スクーリングの教材セットも使わない。
一つ一つ食材を吟味して選ぶように、何をどう学ぶか決めて行こうということになりました。学習方針が定まり、新しい言葉を知りました。家で学校と同じ勉強をするホーム・スクーリングという言葉に違和感を感じていたのですが、このような学び方を「Self Directed Learning(自己管理的学習)*」というのだと知人から教えてもらいました。
学校があっけなく終って夏休みに入ったある日、娘がやりたいことを聞いてみると、彼女はマインドマップを書き始めました。スポーツ、工芸、絵画、クッキング、園芸、家計、株式、起業、音楽、プログラミング、ロボティクス、ドローン、無線、旅。所謂「主要科目」が一つも入っておらず、あまりに広範囲なことにちょっと動揺する私。成長と共にだんだんと専門分野が絞られてくると思っていたら、去年娘がやりたいと言っていたことよりさらに増えている! どうしよう?
ボーディング・スクールなら一通り体験出来ますが、コース料理やアラカルトはあっても自宅の台所のような自由度はありません。中高生はみんなオタクです。まだ経済的な打算や社会的な制約が少ないので、スポーツでも、アイドルでも、音楽でも、無邪気に気に入った趣味に没頭していてひたむきです。そのエネルギーを自分のやりたいことに向けさせてあげたいなぁ、と思うのです。日本ではホーム・スクーリングの実践例はまだ多くありませんが、英語のサイトには様々な研究結果や実践例があり勇気づけられるとともに参考になります。
そうは言ってもSelf Directed Learningには押しつぶされそうな大きな不安があります。でも普通に学校のカリキュラムをこなさせることも同じぐらい不安です。前者は未知故の不安、後者は知っているが故の不安であらば前進あるのみ。我が家のホーム・スクーリングは、勇気をもって子供を信じて、覚悟を決めて好きなことをやらせてみよう...という方針に当分はなりそうです。>> あまり力強くない宣言ですね。^^;; でもやってみよう!
子育ては日々フロンティア。試行錯誤です。批判から応援までどうぞお気軽にコメント下さい。
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注釈: Self-Directed Learning (自己管理的学習)の定義はこちらをご参考ください
(by ホーム・スクール ママ)