中高生向けのプログラミングスクールを主催する「Life is Tech!」。
そのLife is Tech!が、6人のスーパー中高生たちのプレゼンテーションイベント「Edu×Tech Fes 2019 U-18を開催しました。
テクノロジーを取り入れ、自分の道を切り開いた彼らの「分岐点」はなんだったのか、どう選択したのか。それぞれのプレゼンテーションをご紹介します。
SPEAKER1
SASUKE氏
中学3年生。14歳の時に原宿で披露した路上パフォーマンスをきっかけに様々なメディアに取り上げられ話題に。新しい地図 join ミュージックの新曲「#SINGING」の作詞、作曲を手掛けるなどSNSを通じて海外、国内からオファー殺到中の15歳トラックメイカー。
「生まれたことがすでに僕にとっての分岐点。音楽が好きな両親の元で色々な音楽を聞いてこられたので。小さい頃から父のパソコンの音楽ソフトでずっと遊んでいて、サンタさんと誕生日に機材をもらい続けていて、だんだんおねだりする機材の値段が上がっていくという感じでした(笑)。
音楽はずっとMASCHINEという機材をメインに作っていたのですが、東京に行く用事があったので、ついでに持って行ったんです。で、せっかく行ったから路上ライブしよう!と。これが分岐点ですね。みてくれていた方が撮影しTwitterにあげてくれて、バズって、レコード会社含めていろんな方がコンタクトしてくれた。
好きなことを突き詰めて、発信すると自分の世界が開けていく。
楽器ができなくても、音楽理論を学ばなくても、誰でも音楽が作れる時代ですから。将来は世界中の大きなステージでパフォーマンスしてたくさんの人を笑顔にしたいしhip-hopとかEDMとかあるけれど、そろそろ新しい音楽のジャンルができてもいい頃なので、それをいつか作りたいですね。」
SPEAKER2
佐藤和音氏
英国 Year 13。8ヶ国語を独学習得したマルチリンガル高校生。アクティブラーナー促進コミュニティ・ZOOMOOC代表、MENSA会員。
「文字や言語が好きで旅先でもすぐに現地の言葉を覚えてしまう子供でした。言語を使った時通じるのが嬉しくて。でも学校時代は厳しいことが多かったです。協調運動障害がありとても不器用でみんなが簡単にできることができなかったりして。偏見持った先生もいて辛かった。先生の理解がないことが発端でいじめにもあっていました。
いじめから撤退するか、そのままの環境にとどまるか。これが最初の分岐点でした。いじめから撤退して転校を選び、3回目の転校は通信制の高校へ。少なからず一般のレールから外れたショックもありました。
けど自分は変わっていない、好きなことも変わっていないということを再確認するきっかけにもなりました。
人と違う道をやろう、学校とは別のコミュニティを持とうと思い立ち、MENSAに入り、語学も更に学んでマルチリンガルに。MOOC(無料でスタンフォード大などの講義受講も可能なオンライン大学講座)と出合い、最終的には英国留学に繋がりました。すべて一貫して、自分の興味のあることを突き詰めることができたからこその結果だと思います。」
SPEAKER3
西林咲音氏
高校3年生。自らの持病の経験をもとにし、体調管理アプリを作成しアプリ甲子園全国決勝大会に出場。現在はAppStoreにて3本のアプリを配信中、10,000DL達成。第23回 国際女性ビジネス会議にて登壇。
「私が皆様にお伝えしたいことは二つです。
一つは短所を長所に変えること。
私は頭痛持ちで、学校生活に支障をきたすほど酷い症状が出る時もありました。
そこで学校の時間割を入力して生活のどんなタイミングで頭痛がきたか管理できるアプリ「CALM」を作りました。自分の短所に向き合った結果アプリという形ができた。これが私の分岐点になりました。
もう一つはチャンスをつかむということ。
ブログラミングをする選択、アプリ甲子園に出る選択、メディアに出る選択。
私がここに立てているのもこれらの選択をした結果です。チャンスをどう作り出すか、またどうつかむか。何か始めることは不安やリスクを伴いますが、きちんと自分で決断することが重要だと感じています。」
SPEAKER4
山内奏人氏
高校3年生。「中高生国際Rubyプログラミングコンテスト」の15歳以下の部で最優秀賞受賞。ウォルト株式会社(現ワンファイナンシャル株式会社)を15歳で創業し1億円の資金を調達したことでも話題に。2018年、レシートを1枚10円で買い取るiOS向けアプリ「ONE」をリリース。
「ディズニランドや映画館が好きなんです。非日常体験というか。毎日を非日常にしたいと思っています。ということで、アントレプレナーとしての僕の目標は、魔法を社会に実装すること。例えば、ただの紙がお金になる世界があったら?それって魔法っぽいですよね。それでできたのが、レシートを10円で買い取るアプリ「ONE」です。
ここに至るまでですけど、保健室登校をしていて、プログラマーになって。
起業して潰すを何回か繰り返してきました。今はやっと売り上げが立ってきましたね。
非日常が好きだというのが人生に現れているかと思います。先のことはわからない、今を楽しもう!という気持ちでいい。」
SPEAKER5
中島 芭旺氏
中学1年生。孫正義育英財団正財団生。「自分で選択して学習」「好きな人から学ぶ」がモットー。10歳で出版、日本では累計17万部のベストセラー。その後、韓国、台湾、ノルウェー、ドイツ、ベトナム、中国と、世界7か国での出版を果たす。
「小3の頃不登校になって本を書き始めたんだけど、最初はゲームの課金をしたいためで、いろんな人に会う中で小学生でもお金を稼いでいいんだ!と気付いた。
『どうして本を書けたんですか?』と聞いてくる人がいるけど、そういう質問してくる時点で多分やらない。そういう質問をしない人は、できる。
けど、他のことではやりたいけど言い訳をしてやらない自分もいるから分かるけど、それをしていると、やらない言い訳のスキルが上がるだけ。今はテクノロジーもあるから、始める障壁は低い。あとは、やること、について自分の中でつきつめていくだけです。」
SPEAKER6
中馬 慎之祐氏
中学3年生。Canadian International School Singapore Lakeside Campus G9。U-22プログラミング・コンテスト2015 経済産業大臣賞受賞、アプリ甲子園2015最年少優勝。2018年からシンガポールに留学。アレルギーの人のためのアプリ「allergy」 。
「僕にとっての分岐点は、色々賞をいただいた上で、このまま日本にいるか、留学するか。
日本は友達もいるし、日本での結果もある程度出ているし魅力的でした。他方留学は、語学の心配もあるし、友達できるかなとか不安もありました。でも実際に行ってみれば、テクノロジーのおかげで、オンラインで英語を即時理解しながら他の分野を学べるのです。紙と鉛筆の世界で留学していたら挫折していたかも。
ググって分かることは覚える必要がない。それが今僕がやっている学び方です。リサーチして自分の意見を言い合うやり方はアプリ作りとも似ています。テクノロジーは友達作りの点でもありがたくて、流行りの音楽に国境はないし、オンラインゲームでは喋らないといけないからリアルな若者言葉の英語がうまくなる。
僕個人のグローバル化は今の所大成功していますね。
また、僕が作ったアプリallergyは、50%は中国でDLされいてるんです。最初はびっくりしたけどそこに刺さったんだと嬉しいです。テクノロジーも英語も単なるツールだし、世界は単なる舞台なんですよね。それができたから成功するわけではない。左右されない自分自身の力を磨くことが大事だと思っています。」
基調講演の千代田まどか氏のプレゼンテーションやSASUKE氏のパフォーマンスで場内は盛り上がり、最後に、中高生に対するメッセージでイベントは幕を閉じました。
中馬 「自分にあった環境を見つけること!」
中島 「ナルシストは恥ずかしくない」
SASUKE 「人生を楽しんでほしい」
西林 「長所を増やそう」
山内「勝ち馬に乗りに行くではなく、勝ち馬を作りに行く。」
佐藤 「自分が自分として生きていることを大事に。苦しみ、ピンチにも意味がある。」
まぶしい経歴を持つトップランナーの中高生たちですが、その輝きの裏には挫折や苦しみも。全員に共通していたのは、どんな状況でも好きなことをあきらめない姿勢でした。リスクのある選択も彼らにとっては好きなことを続けるためには必要なことでした。また、みなさんの分岐点にテクノロジーの力があったように、一昔前は実現不可能そうに思えることも、どんどん難しいことではなくなってきています。既存の学校も悪くはないけど全ての子を救ってあげられるものではないかもしれない。佐藤氏のプレゼンの中で、メジャーな道を外れた時に少しショックだったというくだりがありました。その気持ちは本当によくわかります。でも今はいろんな道があります。たとえみなさんのようなスーパーになれなくても、辛い環境で我慢するより好きなことをやり続けられた方が絶対に幸せなはず。保護者目線でも、子供の良い理解者であり応援者でありたいと感じました。
Future Edu メンバー、美術共育実験室 Miro art lab 代表 青柳美どりさんのイベント参加感想はこちら→ https://www.facebook.com/103582793112399/posts/1464164170387581?sfns=mo