今月からFutureEdu Tokyo代表の竹村がForbes JAPANのオフィシャルコラムニストとして「学び」に関係する記事を寄稿させていただくことになりました。今回のテーマはここ20年で急激に普及した「二分の一成人式」。私たち親世代が子どもの頃にはなかったこの行事についてあらためて考えるきっかけとなれば幸いです。
太古の昔から、世界のどこでもなんらかの儀式がとりおこなわれています。儀式を我々人間が好む理由としては、人類の帰属意識やアイデンティティの確認、死を超えた、共同体としての永続的な何かを生み出すなどの理由があるようです。
成人式は、子供から大人へのターニングポイントを社会全体でお祝いする儀式です。社会から法律的にも、社会的責任的にも「大人」として突然扱われることになる子供への通過儀礼としての自覚を促す役割がある、一生の中でも結婚式やお葬式に並ぶ重要性や社会的意義のあるものと言えます。当事者である20歳を迎える若者だけでなく、子供が自立する門出を祝う保護者にとっても、とても大きなマイルストーンとなるでしょう。
一方で、この20年ほどで急激に普及してきた「二分の一成人式」なるものは、誰のためのもので、どういった社会的、教育的効果があるのでしょうか?
私がこの儀式について知ったのは、息子が4年生を迎えた時です。保護者会で先生から、「今年は二分の一成人式を行いますので、XXXという本を買っておいて下さい」という連絡が入りました。その本は、とある高名な方が、その方の一生を振り返って10歳児に伝えたいことを書かれた方なのですが、どちらかというと大人が子供に読ませたい縦書き本で、現代の子供がすすんで手に取るような本ではありません。
「いったい、二分の一成人式は何のためにやるんだろう?」と、原体験のない筆者にとっては謎が深まるばかり。