モンテッソーリ教育 教師養成講座体験記 第一回
29連勝を達成した、将棋の藤井四段がモンテッソーリ教育を受けていたということで、改めて注目が集まり始めている、モンテッソーリ教育。耳にする機会も増えてきたのではないでしょうか?
現在、1歳半の娘がおり、妊娠・出産をきっかけにモンテッソーリ教育に興味を持ち、モンテッソーリ教育の教師養成講座(0-3歳児コース、通信教育ベース)を受講することにしたフルタイムで働くワーキングマザーです。本格的な短期間のスクーリングは8月からになりますが、ご興味のある方も多いかと思い、今回から受講体験記をお届けできればと思っています。
体験記の前に、モンテッソーリ教育について簡単にまとめてみたいと思います。
少し前には、IT業界では、Facebookの創業者、マーク・ザッカーバーグ、AmazonのCEOジョフ・ベゾス、グーグルの創設者である、ラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンもモンテッソーリ教育を受けていたことでも話題になりました。因みに、ピーター・ドラッカー、アンネ・フランク、やイギリスのジョージ王子もモンテッソーリ教育を受けている著名人になります。
モンテッソーリ教育は、100年以上前に、イタリア人のマリア・モンテッソーリ女史によって確立されました。ちなみに、モンテッソーリ女史は、元々は医師であり、女性で初めてローマ大学医学部を卒業しています。モンテッソーリ女史は、教育的な観点ではなく、科学的な観点から子供達を観察し、課題を見出し、最適の対応方法を考え出しました。
また、モンテッソーリ女史が大切にしたことが「教育の主体は子どもである」ということです。教育とは大人が一方的に教えることではなく、「子どもが生まれながらにして、自ら成長発達する力を持っており、適切な環境とサポートがあれば、自分自身で積極的に成長することができること」を発見しました。これは、モンテッソーリ教育の大きな特徴になります。
因みに、藤井四段の集中力や、練習量、先を読む力や正確性などが話題になっていますね。モンテッソーリ教育を受けた子供達には共通した特徴があると言われていますが、具体的にはどのようなことでしょうか?
・ 順序立てて、物事を考えることができる
・ 何をするにも、計画を立て、順序を踏んで着実に実行する
・ 段取りが良い
・ 先を見通すことができる
・ 一から出発する
・ 省略しない
・ 状況の読み取りが早く、臨機応変に対処することができる
・ わずかな差異に気づき、道徳性が高い
・ 一人で、たじろがない。責任ある行動ができる
・ 礼儀正しい
(出典:河出書房新社 相良敦子著 「モンテッソーリ教育を受けた子どもたち」)
と言われています。大人が聞いても素晴らしい力ですよね。私も戻れるものならば、幼少期にモンテッソーリ教育を受けて育ちたかったなあと思ってしまいます。
さて、そのようなモンテッソーリ教育ですが、日本全国には、モンテッソーリ教育を実施している園が1,000以上あると言われています。ただし、日本の場合には、幼児教育時期に片寄っていることが多く、園も幼稚園や保育園が中心となっています。
我が家も最初はモンテッソーリ教育を実施している園に入れたいと思ったものの、近くにモンテッソーリ教育を実施している保育園があまりなかったため、母自らがモンテッソーリ教育を学んでみては良いのではないか、という考えに至りました。若干安易な考えかもしれませんが、モンテッソーリの学びは普段の子育てにも大変役立ちますし、モンンテッソーリに関する著書を読んだだけでも、子供の見方が変わった経験から、深く知りたいと思うようになりました。
因みに、日本でモンテッソーリ教育について学ぼうとした場合にいくつかスクールがあります。その中でも、国際モンテソーリ教会 AMI (Association Montessori International) が認定しているスクールと、独自に教会や研究所という形で開催しているスクールと分かれます。下記は一部になりますが、スクールの一覧です。
- 東京国際モンテッソーリ教師トレーニングセンター (AMI認定校)
- 日本モンテッソーリ協会公認モンテッソーリ教員養成コース 一覧
- ※複数掲載があります
- 日本モンテッソーリ教育綜合研究所
この中でも、私は日本モンテッソーリ教育綜合研究所の「モンテッソーリ教育 教師養成通信教育講座(0-3歳コース)」を受講することにしました。
選択した理由は、
・ 基本的に通いのスクール形式がベースではあるものの8日間のみ
・ スクーリングの場所が五反田と通いやすい
・ 課題提出等は郵送ででき、自宅学習が可能
・ 必要な諸連絡等はウェブサイトで全て連絡が来る
・ 40年あまりの実績がある
といったところになり、ワーキングマザーでも受講が可能な設定だったことが大きかったです。ただし、スクーリングの講座は朝9時20分から16時45分まで授業があり、基本1日でも欠席すると、来年度に持ち越しになります。
受講をするためには、冬から春にかけての、願書受付期間に必要書類(願書、写真など)を揃えて郵送で提出します。書類選考があり、受講ができると、翌年の4月下旬から5月にかけて入学許可証が送付されます。その後、受講に関数する案内がコースのウェブサイトで閲覧ができたり、テキストや参考書が送付され、スクーリングの8月までは各自自主学習になります。
願書を12月に出してから、受講できるかどうかがわかるまでに4ヶ月半ほど待ちまして、受講できるのか最初はドキドキしておりましたが、無事に入学許可証が届きました。
ちなみに、テキストは8冊、参考図書としてマリアモンテッソーリの著書が4冊送付されます。全てを事前に読み込むとなると結構時間もかかります。普段は、早朝に起きて、夫と娘が寝ている間の時間を勉強時間に利用しています。
具体的な費用などについては、ご興味のある方はこちらからご覧ください。
モンテッソーリ教育 教師養成通信教育講座 (日本モンテッソーリ教育綜合研究所)
さて、具体的な教材や、実際のスクーリング体験記などはまた別途ご報告したいと思いますが、モンテッソーリにご興味をお持ちの方は、まずは本を何冊か読まれてみてはいかがでしょうか?
おすすめ読書リスト
モンテッソーリ教育の第一人者である、相良先生の著書を中心にご紹介しています。また、先日相良先生が逝去されたと伺い、心からご冥福をお祈りいたします。
1) お母さんの「敏感期」―モンテッソーリ教育は子を育てる、親を育てる (文春文庫) 文庫 –相良 敦子 (著)
実際にモンテッソーリ女史の語った言葉を読まれたい方はこちら。
1)1946年ロンドン講義録 (国際モンテッソーリ協会(AMI)公認シリーズ)
マリオ・M・モンテッソーリ (著), AMI友の会NIPPON (監修, 翻訳) 風鳴舎
日本のモンテッソーリ幼稚園(子供の家と言われます)やおうちで実践できるモンテッソーリについて知りたい方はこちら。
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著者プロフィール
島田 敦子
教育関連企業、自動車メーカー、IT企業でのマーケティング職を経て、米系機関に勤務。現在はIT業界に関連したリサーチや、ビジネスコンサルなどに携わる。2004年頃からダイバーシティプロジェクトに参画したことをきっかけに、ワーキングマザーの取材やイベント活動などをプライベートで実施。妊娠・出産を機に次世代教育や、AI時代の教育に興味を持つようになり、現在はモンテッソーリ講師養成講座を受講中。一児の母。
慶應義塾大学総合政策学部卒